リウマチの自覚症状の経過と検査結果で総合的に診断される
痛風のように親指の付け根が赤く腫れて、血液検査をすると尿酸値が高い、あるいは結核の ように微熱が続くので検査をしたら結核菌が検出された、というような疾病は検査の結果で比 較的容易に診断を下せます。
しかし関節リウマチの場合は、リウマトイド 因子ひとつとっても陰性だからといって、リウ マチではないと確定もできないし、また陽性だからといって、関節リウマチだと診断もできま せん。
また、関節リウマチは多彩な顔を見せるのも診断を難しくしている原因となっています。
たとえば、リウマチの症状からいうと、さまざまな部位に発症するリウマチ性疾患であり、病変部位からい うと結合組織疾患であり、原因からいうと自己 免疫疾患であるといえるからです。
日本を含む多くの国が採用しているのが、アメリカリウマチ学会によるリウマチの診断基 準です。
もちろん、正確な診断をするうえで検査は欠 かせませんが、問診によって患者さんの過去か ら現在までの症状を正しく把握することが非常に重要になってきます。
初期の関節に関する自覚症状を見逃さない
リウマチの症状は全身にわたるものがある一方で、やはり関節部位の症状すなわち関節炎があるかどうかが診断するうえでポイントとなります。
関節炎の症状は、関節の痛みと腫れと熱感です。 まず、朝起きたとき、関節にこわばりを感じ る、腫れぼったくて動かしにくい、というような症状が出ます。
「朝のこわばり」といわれています。起きた当初そう感じても、すぐに治るので、つい見逃しがちです。
しかし、こわばりや腫れぼったさが病状が進行するにつれて、感じる時間が長くなります。
関節を長時間、動かさないと起こるので、昼寝をした後や待ち合い室でじっと同じ姿勢で座っていても起こります そして、このような違和感を感じる関節が複数あって、しかも左右対称だとしたら、関節リウマチが疑われます。
また関節の痛みには2通りあり、関節を動かすと痛む運動痛と関節部位を押すと痛む圧痛です。さらに、こうした痛み は手足の関節から始まることが多いようです。 手の場合、第一関節ではなく、第二関節が痛むのも関節リウマチの特徴です。