男性不妊の種類を知ろう
男性不妊の原因には、人によってさまざま。しかし、性交のトラブルを除き、ほとんどの場合は自覚症状がありません。精液検査を受けることから、意義ある不妊治療が始まるのです。
全員が受ける「精液検査」とは?
妊娠しにくいようなら、必ず受けたい検査が「精液検査」です。
不妊治療をしている産婦人科や泌尿器科で受けられ、マスクペーションをして容器に精液をとり提出します。
精子の数や運動率、奇形率などがわかります。日による変動が大きいため何度か検査することもあります。
超音波検査
血液の流れがよ<見える超音波装置を用い、陰嚢内に静脈瘤ができて血流のトラブルが起きていないかどうかを見ます。
視診、触診
生殖器の状態を観察します。精子が十分につくられていない場合は、精巣が小さかったり、やわらかかったりします静脈瘤も、大きければ発見されます。
血液検査
脳から精巣に「精子をつくれ」と指令するための大切なホルモンが十分に出ているかどうかを、血中濃度を見て調べます。
染色体検査
染色体に異常がないかどうかを、血液で調べます。
男性不妊の検査
独自に女性をする自治体も地域によっては、独自の助成をしているところもあります。たと えば束京都では、都の助成以上に費用がかかった場合は、港区は所得制限を設けず、1年度につき最高30万円、通算5年まで。中央区や世田谷区は1年度につき最高10万円を5年まで。三重県、福井県では男性不妊に対する助成も行っています。住んでいる自治体に問い合わせてみましょう。
正常な精子の基準
精液量
1.5ml以上
精子濃度
1ml中に1500万個以上
精子運動率
40%以上
正常形態精子
4%以上
総精子数
3900万個以上
白血球数
1ml中に100万個未満
男性不妊の原因
乏精子症
精子濃度、総精子数を調べることでわかります。精子の数が少なく、精子濃度が1500万個/ml以下の場合は乏精子症と診断されます。男性不妊の原因ははっきりしないことが多いので
すが、精索静脈瘤や造精機能障害が見つかることがあります。
無精子症
射出された精液の中に精子がいない状態です。精子をつくる機能に問題がある「非閉塞性」のものと、元気な精子が精巣でたくさんつくられているのに通り道がふさがっている「閉塞性」のものに大別されます。
正常形態精子
精子運動率でわかります。精子にはよく動くものと、じっとしているものがあります。そ
の動きを観察して、前に進む精子が半数以下、もしくは高速で真っすぐに進む精子が25%未満の場合は、精子無力症と診断されます。
精索静脈瘤
陰嚢内に静脈瘤ができ、腹部の温かい血液が精巣に逆流して精子の質を悪くします。男性不妊専門医による超音波検査で診断します。小さな瘤なら問題は起きることは少ないですが、加齢とともに大きくなることがあります。
精路通過障害
精路が詰まって精子が通れなくなり、乏精子症や無精子症になります。感染症や幼少時のそけいヘルニアの手術などで起こりえます。
造精機能障害
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)や精索静脈瘤、染色体異常などで精子をつくる機能が低下します。原因不明のケ−スも多数あります。
逆行性射精
精液が膀胱に行ってしまう状態。膀胱から精子を回収するなど人工的に受精させる必要があります。糖尿病が関わっていることも。
クラインフェルター症候群
通常、男性の性染色体は「X」と「Y」が1本ずつですが、「×」が1本増えた先天性疾患です。造精機能障害が起きます。
勃起障害(ED)
性交渉で勃起しない、勃起が持続しないことをいいます。妊娠へのプレッシャーや仕事のストレスも原因になります。「バイアグラが効きますが、人工授精をするのも一考。妻が妊娠すると、治ることが多いようです」